音楽ピアノ教室の ミュージック.jp

大きく 小さく リセット

アップライト・ピアノ 印刷

コンサートホール等、限られた場所でしか見かけないグランドピアノとは対照的に、アップライトピアノは学校を筆頭に、数多くの場所で見かける最もノーマルな(標準的な)ピアノです。

その特徴の最たる物はサイズにあり、グランド・ピアノとは比較にならない位に小型です。従って設置にスペースを必要としない利点から、一般家庭への搬入に最適な庶民派のピアノとして、アップライトはピアノの普及の一翼を担ったのです。

更なる特徴は価格にあり、グランド・ピアノとは比較にならない位に経済的な点が、普及を加速させた要因と言えるでしょう。

ところがアップライト・ピアノの場合は構造的な問題として、グランド・ピアノと比較すると打鍵等の際の反応が若干鈍いという難点が存在します。これは内部構造に原因があり、「弦を横からハンマーで叩いて発音する」という仕組みになっている為です。

この点、グランド・ピアノの場合は「上から落ちるハンマーが弦を叩いて発音する」という構造なので、重力が自然に加算されるのです。それ故グランドに於いては、打鍵に対する反応が必然的に速くなる訳です。

ところがアップライト・ピアノの場合、本来横に寝かせていた弦を省スペースを目的として縦にして起こした訳ですから、その重力の恩恵を享受する事が不可能です。そこが演奏家にとっては大きなデメリットとなるが故に、コンサートホール等で彼等が演奏する際には、アップライト・ピアノが使用されれる事は有り得ません。そもそもステージにはグランドピアノと相場が決まっており、ステージの場合は端ならともかく中央にアップライトピアノが置かれたのを、まず見た事がないでしょう。

然しながら学習途上にある方が毎日の練習で使用する分には、アップライトピアノで全く問題はありません。即ちアップライト・ピアノとは、学習者の為のピアノとも言うべきものです。そこで仮に演奏家を目指す為にピアノを購入するのであれば、初心者の時代はアップライト・ピアノで練習し、上級のレヴェルになった時点でグランド・ピアノへの買い換えを検討する、これが一般的なパターンです。

ここで余談ですが我が国のクラシック界では、プロという言葉が完成された演奏家の意味で用いられ、アマという言葉が学習者や愛好家の意味で使用される傾向があります。然しながら演奏に於ける本来の意味では、プロとは演奏で報酬を得る人であり、アマとは演奏を無報酬で行なう人です。この点、本来の意味に忠実にプロやアマの言葉を使用しているのは、商業音楽であるポピュラーミュージックの世界の人の方なのです。従ってクラシックの世界では仮にプロと名乗られても、演奏家としてのプロである可能性は殆ど無く、教育音楽の方のプロである可能性が限りなく高い、という現実は知っておいた方が良さそうです。
 

googleニュース

Google News