| グランド・ピアノ |
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とかく自宅に入れるには大き過ぎるとされ、平均的な家庭には不釣合いとされるのが、まさにこのグランド・ピアノでしょう。従って、本人は真剣に音楽芸術の普及に尽くしているつもりでも、周囲からは富裕層を誇示している等のあらぬ誤解を受け兼ねないのが、この自宅にグランドピアノを持つ人なのです。 それでも、グランドピアノという巨大な装置を産み出した人は天才であると、ピアノを愛する人なら誰もが感心するに違いありません。このゾクゾク来る程に露骨なそれでいて高貴で上質なこの陶酔感や痺れは、まるで天上の花園に迷い込んだかの様な圧倒的なレヴェルであるからです。その代わりそのレヴェルに達するまでの段階では、地獄に吸い込まれそうなスランプの中でも歩みを止めず、苦悩の練習を長年積み重ねる必要があるのです。 特にピアノの歴史を知る為には、このグランドピアノを避けて通る事は不可能です。 先ずこのグランドピアノを自宅に搬入する際の最大の問題は、何と言ってもその巨大な外見と桁外れの重量に在ります。従ってグランドピアノを自宅に置くには、時には床の補強も必要になりますし、何よりも空間の広さと天井の高さを確保する必要があるのです。 次なる問題としては、音量の大きさが挙げられます。従って絶対に必要とは言えませんが、可能なら防音対策が望ましいのです。こういう事情がある為グランド・ピアノは、家庭で使用するのは無理がある楽器とされて来たのです。そこで現在に於いてもグランドピアノを所有するのは、音楽大学等の教育機関でピアノ等を専攻する者か、余程の金持ちかに限られているのです。 このグランド・ピアノも幾多の派生を繰り返し、現在ではサイズから複数の種類に大別されています。因みにグランドピアノのサイズは奥行きで測られ、奥行きが長い程大きなピアノとして高価になるのです。 そして最近になると何と「家庭用グランド・ピアノ」という、小型のピアノが登場しました。 一方、最大の「2.2~3m」のサイズとなるのが、「コンサートグランド」と呼ばれるピアノです。このコンサートグランドは、演奏会が開催されるホールや会場等で使用されています。 又、コンサートグランドを若干小型にしたピアノに、「パーラーグランド」が挙げられます。このパーラーグランドピアノのサイズは「1.7~2.2m」で、これなら自宅に搬入するのも充分可能です。 更にはこれよりもっと小型のグランド・ピアノもあり、これが「ベビー・グランド」と呼ばれるピアノになります。このベビー・グランドに関しては、ゾーマー社が1884年に特許を取得しています。これはサイズ的には相当に小型ですが、何故か一般家屋で見掛ける機会は少ないかも知れません。 そしてグランド・ピアノの特徴は、その音の伸びの良さに挙げられます。更にはアップライト・ピアノ等、他のピアノにはない滑らかさがあります。又、グランドピアノの音色は、会場に勇壮に響きますし、演奏者にも濃厚に感じられます。 更にはグランドの場合は弦が横に張られている為、弦を打つハンマーに重力が自然にかかる為、同音連打等がスムーズに出来る特徴があります。 因みにグランドピアノはサイズの他、ブランドによっても音色が異なります。 例えばスタインウェイにはニューヨークとハンブルグの2種類がありますが、これは最も人気があるピアノで輝かしい煌めく様な音色を持ち、広範囲な場所での音の伝達性に優れています。 ところがベーゼンドルファーになると、伸びの良い弦楽器に近い落ち着いた音になり、室内楽の類の限られた容積の部屋での演奏に適するとされています。 この他、プレイエルは水彩画の様な透明感のある音色で、ショパンやドビュッシーの楽曲に適するかも知れません。 以上は参考までに述べましたが、各ブランドの音色に対する感想は、聴く人によって皆異なります。従ってあくまでも自分の耳で比較する、この心掛けを是非持って頂きたいと思います。 |
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