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音符と鍵盤の連動 印刷

確かに楽譜の読み方を身に付けた筈なのに、いざ譜面台に楽譜を乗せてピアノを弾こうとすると、なかなか思い通りには進まないのが普通です。特に、読譜に時間を費やし過ぎたり、読譜に気を取られてピアノの演奏が間違いだらけになったり、こんな人はさぞかし多いに違いありません。こういう人は多分、音符を目で見た際に「譜面ではこの位置になる。」等、無意識の内に頭脳で言葉に変換している可能性が考えられます。

然しながらピアノを演奏する上で重要な事柄は、楽譜を読む行為ではなく、楽譜を見て弾ける様になる事に他なりません。その為には音符を見た途端に、反射的にピアノが弾ける様になるのが理想です。即ち、楽譜を読む際、音符を見てから階名に置き換える過程を経てからピアノを弾くのではなく、音符を見たらそのままピアノが弾けるという反射レヴェルが物を言うのです。その為にも音符や休符を学習する際、知識として覚えるのではなく演奏用として覚える必要が在るのです。

とは言え「毎日のピアノの練習を楽譜を見ながら続けて来たけれど、単に楽譜を前に置いているだけで実際には殆ど見ていなかった。」という事態も、逆に避けなくてはなりません。

その為にも、「ミ」の音符を見たら反射的に、ピアノの「ミ」の鍵盤が叩ける必要が在るのです。これは言い換えば「ミ」が何処の位置にあるのか、もはや体得が出来ている証拠とも言うべきものです。そしてこの体得こそが、「知識」としての記憶ではなく、ピアノ演奏という実践の為の覚え方なのです。

そこでト音記号の場合、五線の一番下の線上の「ミ」の音符があれば、今度は鍵盤上の「ミ」の位置でその五線を思い浮かべ、更には鍵盤が端にあるかの様なイメージで五線を見る、この連携が掴める必要があるのです。

最初の頃は煩わしさに戸惑うかも知れませんが、秘訣さえ覚えれば誰でも直ぐに読める様になりますからどうか安心して下さい。この様に音符と鍵盤を連結して考えられるレヴェルに到達すれば、楽譜を読むのが数倍早くなります。

とは言え、こういう理屈で読譜をするのは、成人してからピアノを習い始める人に限定されます。何故なら幼少の頃からピアノを習って来た人なら、譜面の音符を見た途端に反射的に指が動きますし、頭脳で考えるのはもう指が鍵盤を叩いた後になりがちだからです。これはこれで中級や上級になると、音をイメージしてから鍵盤を叩くという自制、この音楽性の訓練を要する事態に発展する可能性が在りますが、初歩ではこの反射レヴェルが必要なのです。
 

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