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ピアノ教材の選択方法 その1 印刷

とかくピアノの楽譜コーナーには、同じ楽譜に複数の出版社が並んでいて、どれを選べば良いのか、最初は戸惑う人が多いのも無理はありません。然しながら趣味であれ、専門家を目指すのであれ、ピアノを習うなら「楽譜選び」は非常に重要な課程になるのです。そこでこの項では、楽譜を選択する際に基準となるポイントを御紹介して参りましょう。

最初に覚える必要があるのは、「楽譜には、初版を含む原典版が在り、実用版とも呼ばれる校訂版が在り、標準版が在る。」という事です。

先ずこの内の原典版とは、その時代の作曲家が書いたまま、出版された楽譜を指しています。従ってその作曲家の解釈を知りたい人には、大きな魅力のある版だと言えます。

然しながら現実には、作曲家が度々推敲している物もあれば、レッスンを受けた弟子が加筆修正している物も存在します。更には作曲家が2つの出版社と契約していた場合、出版社が別になると同じ曲でも若干違う箇所が在るのです。

特に原典版の場合は初版の時点で、出版社や作曲家による誤記が含まれている可能性があるので、初版イコール原典版ではない現実も知って下さい。従って初版の楽譜に作曲家による訂正が済まされた、後の版の方が信頼性があるのです。

そこで敢えて定義するならば、様々な情報や研究に基づき、「作曲家が作り上げた曲は、最終的にはこうであった。」と考えて作られた楽譜が原典版なのです。
然しながら原典版の場合、作曲家を尊重していますから、出版社や研究者等が意見して、デュナーミク(ダイナミックス 強弱法)を書き入れる事は不可能なのです。しかも時代が新しくなるに従い、発想のみならず指使い(指順 フィンガーザッツ)に至るまで、作曲家が細部まで書き込んだ物が遺されています。

それでも図書館や資料収集家によって新しい資料が持ち込まれるなら、如何に原典版とは言え将来的には進化していく可能性を持っているのです。

以上の様に原典版に限っても、これだけの多様な事情があるが故に、楽譜の選定には悩まされてしまう訳です。

次の校訂版とは、実際にピアノの演奏が容易になる様に、或いは演奏効果が発揮出来る様にと、ピアニストや研究者等が演奏に対する指示を書き加えた版です。従って校訂版には、フォルテやピアノやクレッシェンド等の強弱の指示、ペダルの指示等が加筆されています。又、この校訂版は、出版社によっては実用版と表記されており、校訂者の氏名も明記されています。

最後の標準版とは、ヨーロッパから輸入された洋書楽譜に和訳を付した版ですから、必然的に低価格の楽譜が目立ちます。然しながら近年の標準版には、数多くの資料から情報を取り入れて作った、信頼出来る種類も存在します。
 

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