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基本のフォーム 印刷

あれこれと事前の用意を済ませ、いよいよピアノに向かうに際して、先ず心掛けたいの「フォーム」です。これは言うなればピアノを弾く際の姿勢に他なりません。この点に関しては、ピアノの先生が親切に教えてくれますが、姿勢とはそう簡単には矯正可能な代物ではありません。そこで出来るだけ日常生活の部分から、望ましい姿勢を習得させておきましょう。

先ずピアノに向かう時の姿勢は、背筋を伸ばすのが前提になります。どうしても猫背では視野が狭くなりますし、何よりも腕や指をスムーズに動かせなくなります。そこで下ろした肘(ヒジ)の位置が、鍵盤と同じ高さに来る様に、背中を張る様にして下さい。

但し予めお断わりしておきますが、この姿勢はあくまでも入門の段階での基本形に過ぎません。従って「突っついたり、滑らせたり、引っかいたり」という技巧を、全身を動かして演奏する高度なレヴェルに達しても尚、この背筋を伸ばして肘を下ろした姿勢を貫きなさいという意味では決してありません。

さてこの背筋を伸ばす姿勢に関して重要な点として、椅子の高さが挙げられます。とかくピアノを弾く際に椅子の高さが適合していないと、肘の高さの調節が困難になります。仮に椅子が低い場合は、肘を故意に上げる必要に迫られますし、逆に高い場合には又故意に下げる必要に迫られるからです。こうなると無駄な力が入りますし、順調な腕の移動が難しくなるのです。そこで仮に椅子の高さに違和感を覚える場合には、ピアノの先生に伝えると直ぐに対処してくれる筈です。

更には手の脱力の問題があり、手は力を抜いて鍵盤の上に乗せるのが基本です。従って必要なのは、適度に脱力する加減でしょうか。何故なら力が入った状態で演奏すると、強弱が巧みに付けられなくなるからです。特に、緊張した状態で脱力するのは、至難の業となるのです。この点、入門者でも上級者でも事情は同様かも知れません。その意味では手の脱力とは、ピアニストにとって永遠の課題ともいえます。そこで困難が伴うかも知れませんが、出来るだけ肩の力を抜いて、自然体で鍵盤と向き合える習慣を、是非身に着けたいものです。

ところが世の中とは面白いもので、先天的に完全な脱力が出来ている人が、稀に存在するのです。こういう人には先生が脱力をどんなに説いても、生徒本人にはさっぱり理解出来ないに違いありません。こういう個人差を認めて教育してくれる、発想の柔軟な先生に巡り会えれば幸運でしょうね。
 

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